有限会社ダック 
なぜ今、図面のPDF化が重要なのか
紙図面の保管コストと劣化リスク
建設業や製造業では、大量の紙図面を保管するための専用キャビネットやスペースが必要となり、その維持管理には多大なコストがかかっています。また、紙図面は時間の経過とともに劣化が進み、湿気やカビによる品質低下、経年による変色や文字の褪色は避けられません。さらに、火災や自然災害による消失リスク、人為的な紛失や破損のリスクも常に存在します。これらの問題は、企業の貴重な資産である図面情報の永続的な保存を脅かす深刻な課題となっています。
業務効率化を促す
紙の図面をPDF化することで、時間や場所を問わず図面の確認や編集が可能となり、モバイルデバイスでの閲覧にも対応できます。また、複数人での同時確認や共同作業が実現でき、図面に関連する作業効率を大幅に向上させることができます。
取引先とのスムーズな情報共有
PDF化された図面は、メールでの即時送付やオンラインミーティングでの画面共有が可能となります。また、クラウドを活用することで、セキュリティを確保しながら、複数の関係者が同時に図面を確認・編集することができます。さらに、バージョン管理が明確になり、修正履歴の追跡も容易になるため、コミュニケーションの質的向上にもつながります。
図面のPDF化で得られるメリット
検索性の向上
PDF化された図面は、ファイル名やメタデータを活用した瞬時の検索が可能となります。OCR処理を施すことで図面内のテキストからも検索できるようになり、従来数分～数十分かかっていた図面検索が数秒で完了するようになります。また、プロジェクト別や顧客別の管理が容易になり、関連図面の一括検索による参照作業も効率化されます。
スペース効率の改善
紙の図面を保管するために必要だった大量のキャビネットが、1台のサーバーに集約できるようになります。これにより、事務所スペースの有効活用が可能となり、保管場所の確保や維持管理の負担が大幅に軽減されます。さらに、フォルダを体系的に分類して、図面の整理整頓も効率的に行えるようになります。
複数拠点での同時共有が可能
本社と支社、現場とオフィス、さらには海外拠点との間でリアルタイムに図面情報を共有できるようになります。複数の担当者による並行作業が可能となります。
経年劣化のリスク軽減
デジタルデータとして保存することで、紙の図面で問題となっていた経年劣化や品質低下を防ぐことができます。定期的なバックアップにより消失リスクも排除され、世代管理による変更履歴の保持も可能です。図面の鮮明さや寸法、注記の判読性を半永久的に維持することができます。
コスト削減効果
保管スペースの賃料、複製・印刷費用、運搬・配送コストなど、直接的なコストを削減できます。さらに、図面検索時間の短縮による人件費削減、紛失・破損による再作成コストの削減など、間接的なコストも大幅に抑えることができます。
図面PDF化を外部業者に委託する
専門業者にPDF化を委託することで、カラー・モノクロともに均一な品質でスキャンが可能で、図面の歪みも最小限に抑えられます。大量の図面を一括で処理する際は特に効率的で、OCR処理や整理分類などの付加サービスも利用できます。安定した品質が得られますが、総量によってはコストが高額になります。用途や予算、求める品質に応じて最適な方法を選択することが重要です。
効率的なPDF化のための準備と手順
図面の仕分けとインデックス作成
PDF化を始める前に、図面を年度、プロジェクト、図面種別などで体系的に仕分けることが重要です。この段階で、重複図面の確認や最新版の選別を行い、破損や汚れの状態もチェックします。また、図面の一覧表（インデックス）を作成し、デジタル化後の整理や検索を容易にする基準を決めておくことで、後工程がスムーズに進みます。
ファイル名の命名規則
効率的な検索と管理を実現するため、図面番号、プロジェクト名、作成日付、改訂番号などを含む統一的な命名規則を策定します。例えば「プロジェクトコード_図面種別_図面番号_改訂番号」といった形式を定め、全社で統一することで、後からの検索や分類が効率的に行えるよう工夫します。
保存フォルダ構造の設計
フォルダ構造は、会社の組織体系やプロジェクトの特性を反映した階層構造にします。最上位には部門やプロジェクト、その下に図面種別や年度などのサブフォルダを配置し、直感的に目的の図面にアクセスできるようにします。また、アクセス権限の設定も考慮に入れた構造設計が重要です。
PDF化した図面の活用方法
クラウドでの共有・管理方法
クラウドストレージを活用することで、社内外を問わず必要な時に必要な図面にアクセスできる環境が整います。Google DriveやDropbox Businessなどのサービスでは、アクセス権限の細かな設定や変更履歴の管理が可能です。また、複数人での同時閲覧や編集も可能となり、チーム間でのコラボレーションがスムーズになります。
簡単な加工・編集テクニック
PDF編集ソフトを使用することで、図面への注釈追加、寸法の書き込み、マーカー等での強調表示が可能になります。また、必要な部分の切り出しや拡大、複数図面の結合なども簡単に行えます。これらの編集は元データを保持したまま行えるため、オリジナルの図面を損なうことなく作業を進められます。
他システムとの連携活用
PDF化した図面は、CADソフトやBIMツール、文書管理システムなど、様々なシステムと連携させることができます。たとえば、工事管理システムと連携させることで、工程表や部材表との紐付けが可能になり、施工計画の立案や進捗管理が効率化されます。
導入時の注意点とトラブル対策
データバックアップの重要性
PDF化した図面データは、定期的なバックアップが不可欠です。主たるストレージとは別に、クラウドストレージや外付けハードディスクなど、複数の保存場所を確保することが推奨されます。特に重要な図面については、異なる物理的場所にバックアップを保管し、災害時のデータ消失リスクに備える必要があります。また、バックアップの実行スケジュールと保管期間を明確に定め、確実に運用することが重要です。
セキュリティ対策
図面データの漏洩防止のため、アクセス権限の設定や暗号化は必須です。特に、社外との共有が必要な場合は、パスワード保護や有効期限の設定、印刷・編集の制限など、きめ細かな設定を行います。また、社外からのアクセスにはVPNを使用するなど、通信経路の暗号化も重要です。定期的なセキュリティ監査を実施し、脆弱性の早期発見に努めることも必要です。
紙図面のスキャンについて業者への依頼をお考えなら当社へご相談ください。企業の貴重な資産である図面を丁寧にスキャンさせていただきます。ぜひ気軽にお問い合わせください。
