有限会社ダック 
マンションの改修工事では、多くの施工図面が必要になります。これまで紙で管理していた図面をデジタル化することで、工事の効率が大きく向上します。この記事では、施工図をパソコンで扱える形式に変換することで得られる様々なメリットについて詳しくご紹介します。
紙の図面が抱える課題
保管場所の問題
マンション改修工事では、建築図面や設備図面など多数の図面を扱います。紙の図面は一枚一枚が大きく、数が増えるほど保管場所を圧迫します。事務所の棚やキャビネットが図面で埋まってしまい、他の書類を置く場所がなくなることも少なくありません。また、古い図面は劣化しやすく、破れたり汚れたりする心配もあります。
図面の検索に時間がかかる
必要な図面を探すとき、紙の状態では一枚ずつ確認しなければなりません。特に大規模な改修工事では何十枚、何百枚という図面を扱うため、目当ての図面を見つけるだけで多くの時間を費やしてしまいます。現場で急に図面が必要になったとき、事務所まで戻って探す手間も発生します。
共有の難しさ
複数の担当者や協力会社と図面を共有する場合、紙ではコピーを作成して配布する必要があります。図面が更新されたときは、また新しいコピーを配り直さなければならず、手間がかかります。さらに、どの版が最新なのか分からなくなり、古い図面を使って作業してしまう間違いも起こりやすくなります。
図面をデジタル化するメリット
保管と管理が簡単になる
図面をスキャンしてパソコンに保存すれば、物理的な保管場所は必要なくなります。何百枚の図面もパソコンの中に収まるため、事務所のスペースを有効活用できます。また、デジタルのデータは劣化の心配がなく、半永久的に保存できます。バックアップを取っておけば、万が一の災害時にも図面を失うリスクを減らせます。
素早い検索が可能
デジタル化した図面は、ファイル名や日付で検索できるため、必要な図面をすぐに見つけられます。パソコンやタブレット端末があれば、現場にいながらでも図面を確認できるので、作業効率が大きく向上します。工事の打ち合わせ中に「あの図面を確認したい」となったときも、その場で開いて見せることができます。
情報共有がスムーズ
デジタルのデータはメールで送ったり、クラウドサービスで共有したりできます。関係者全員が同じ図面を同時に見られるため、情報の行き違いが減ります。図面が更新された場合も、最新版をすぐに全員に届けられるので、常に正確な情報で作業を進められます。
CAD（設計図面作成ソフト）による編集のメリット
図面の修正が容易
紙の図面に変更を加えるには、手書きで修正するか、一から書き直す必要があります。しかし、CADで編集できる形式にすれば、パソコン上で簡単に修正できます。寸法を変えたり、部材を移動させたり、文字を書き換えたりする作業が短時間で完了します。修正履歴も残せるため、どのような変更を加えたか後から確認することもできます。
正確な寸法測定
デジタルの図面データなら、画面上で距離や面積を正確に測定できます。縮尺の計算も自動で行われるため、計算ミスの心配がありません。現場で「この部分の長さは何メートルか」と聞かれたときも、すぐに正確な数値を答えられます。
図面の再利用
一度作成したデータは、次の工事でも活用できます。似たような改修工事を行う際、以前のデータを元に必要な部分だけを変更すれば、新しい図面を効率的に作成できます。これにより、図面作成にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
デジタル化の進め方
スキャン作業
まず、紙の図面をスキャナで読み取ります。大きな図面を扱う場合は、上から撮影するタイプのスキャナが便利です。このタイプのスキャナは、図面を折らずにそのままの状態でデジタル化できるため、図面を傷めることなく作業できます。スキャンした画像は、鮮明で見やすいデータとして保存されます。
データ変換作業
スキャンした画像を、CADで編集できる形式に変換します。この作業では、線や文字、寸法などを認識して、パソコンで編集可能なデータに作り直します。変換作業には専門的な知識と技術が必要ですが、正確に行うことで、元の図面と同じ品質のデジタルデータが完成します。
データ整理と保管
作成したデータは、分かりやすく整理して保管します。工事の種類や日付、建物の場所などで分類しておけば、後から探しやすくなります。また、定期的にバックアップを取ることで、データの紛失を防ぎます。クラウドサービスを利用すれば、どこからでもアクセスできて便利です。
専門サービスの活用
品質の確保
図面のデジタル化や変換作業は、経験と技術が求められます。専門のサービスを利用することで、高品質なデータを確実に得られます。細かい線や小さな文字も正確に再現され、実務で問題なく使用できるデータが完成します。
時間の節約
自社で作業を行う場合、慣れない作業に多くの時間がかかります。専門サービスに依頼すれば、その時間を本来の業務に充てられます。特に大量の図面を処理する場合、専門家に任せることで作業期間を大幅に短縮できます。
設備投資の削減
デジタル化には専用のスキャナやCADが必要です。これらを購入するには相当な費用がかかります。専門サービスを利用すれば、設備を購入することなく、必要なときに必要な分だけサービスを受けられるため、費用を抑えられます。
まとめ
マンション改修工事の施工図をデジタル化することで、保管スペースの削減、検索の効率化、情報共有の円滑化など、多くのメリットが得られます。さらに、CADで編集できる形式にすることで、図面の修正や再利用が容易になり、工事全体の効率が向上します。
専門のスキャンサービスやCADデータ作成サービスを活用すれば、高品質なデジタルデータを手軽に入手できます。図面管理の課題を抱えている方は、ぜひデジタル化を検討してみてはいかがでしょうか。業務の効率化とコスト削減を同時に実現できる、有効な手段となるはずです。
