古文書(巻物)のデジタル化

ご依頼日:2024年(令和6年)2月

幻の鉄道計画(昭和初期の計画図)

ご依頼主: えかき・ものづくり作家
ドウノ ヨシノブ 様

まっぷるマガジンで全国を飛び回りながら鳥瞰図の連載
やなせたかし記念館(高知県)にあるヤナセウサギの銅像の原型製作
播磨国総社 第22回三ツ山大祭 学術技術専門員

今回の依頼理由
最近ではデジタル化が進んできてはいますが、地域の文化財や研究価値が高い資料など、まだまだ不十分なのが現状です。今回は昭和初期の絵図を最新のスキャン技術をつかって、きれいで正確なデジタルデータへ変換するために依頼しました。

作業内容の紹介

古い巻物をオーバヘッドスキャナでデータ化

今回スキャンする古い巻物です。長さは6メートルほどあり、資料の中身を確認するだけで一苦労な状態です。しかし、デジタル化することで、閲覧や共有が簡単になり、閲覧の際に生じる巻物自体の劣化を防げるようになります。

スキャナには高性能なオーバーヘッドスキャナを使用します。資料を上向きのまま、無理な圧力をかけないでスキャンできるため貴重な資料も傷めません。

A1、A2サイズの用紙なら1度でスキャンできるオーバーヘッドスキャナですが、資料がそれよりも大きい場合は複数回に分けてスキャンします。詳細部分まできれいに正確にスキャンできるため、デジタルデータを結合する際のつなぎ目も自然にできます。

スキャンの瞬間はわずか0.3秒で完了します。そのため、長い巻物のスキャン作業もより早く行うことができます。

レプリカを作成

約6メートルの長さを持つ古い巻物のデジタルデータを基に、精密なレプリカを作成しました。このレプリカ製作では、大判印刷が可能な高精細プリンターで和紙を使用し、原本の詳細や色彩を忠実に再現します。原本の巻物を保護しつつ、研究や展示などの目的で利用できるようになります。

レプリカの上に電車の模型を乗せて幻の鉄道を再現しました。貴重な資料である原本の巻物ではなく、レプリカだからこそできることがあります。例えば、教育や研究に新たな視点を提供します。

航空写真と合成して比較(ドウノ氏作成)

古い巻物をデジタル化して現在の研究資料へ

私たちの日々の生活は、過去の人々の決断と努力の積み重ねの上に築かれています。その証しとも言える貴重な歴史資料をデジタル化し、新たな知見を得ることは、私たちの文化や歴史の理解を深める重要な機会です。

今回、私たちは手書きで描かれた古い鉄道路線図の巻物をデジタル化しました。この路線図は、かつてその地域で計画されていたが実現しなかった鉄道建設の計画を詳細に記しており、歴史的価値が非常に高いものです。デジタル化することで、この巻物は時間の経過による劣化から守られ、研究資料として利用しやすくなりました。

さらに、私たちはデジタル化した路線図を、当時の地形や生活様式を示す航空写真と照らし合わせました。当時の計画されていた線路図を、現在の航空写真と重ね合わせることで、地域がどのように変化してきたかを視覚的に捉えることができました。この比較分析により、都市の発展、自然環境の変化、交通網の進化など、地域の歴史的変遷を具体的に理解することが可能になりました。

本事例は、ただ古い資料を保存するだけではなく、それを活用して新たな知識や理解を生み出すという、デジタル化の真の価値を示しています。私たちは、これらの情報を基に、地域の歴史や文化に関する研究、教育資料の作成、観光資源としての活用など、さまざまな方面での活用を目指しています。

貴重な歴史資料をデジタル化し、新たな視点で分析することで、私たちは過去と現在をつなぎ、未来への理解を深めることができます。このような取り組みが、次世代に価値ある情報を伝えるための一助となれば幸いです。

また、今回デジタル化した巻物は次の場所に所蔵されています。

内海照也氏所蔵
四季の里 好古館 
兵庫県宍粟市山崎町野々上454−1

お問い合わせ

貴重な資料のデジタル化は、世界中の研究者や一般の人々が、簡単にそれらのデジタルデータを閲覧し、利用することを可能にします。また、デジタル化は、物理的な損傷や劣化から資料を保護し、後世にわたってその価値を維持します。さらに、デジタルフォーマットでは、検索や分析が容易になるため、教育や研究の質を飛躍的に向上させます。歴史博物館、自治体、図書館、歴史資料館、文学館の関係者のみなさま、文化遺産の普及と保存、知識の拡散への貢献に当社のスキャンサービスをご利用ください。

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ドウノ様から頂いた感想

仕事がら資料として古地図や古い図面、絵図を取り扱う事が多いのですが、文化財に指定されていたり、貴重な資料であったりと、手軽に見ることや使用することは難しい事がある。
最近は国立国会図書館や国土地理院、文化庁などでデジタルデータ化され、閲覧ができる様にはなってはきているが、地域においての文化財や研究価値の高いものでも、研究ができるレベルのデジタル化はまだ全然できてないのが現状です。

今回依頼した昭和初期の絵図は、紙質も硬く巻かれたクセがあり単純にスキャニングやカメラでの撮影をしても原寸と同じように繋げる事はとても困難でした。
しかしこのスキャニングではフラットに撮影されているので、簡単に繋げる事ができました。
もちろん超高解像度のデジタルデータであるため、肉眼では見えない細部までを拡大して観察できたり、色調の調整をする事で画像を見やすくする事も簡単にできます。
また画像を簡単に合成する事ができるので幻の路線がどこを通る計画であったかをも明らかにすることができ、現在は無くなってしまっている遺構の位置の特定ができる事ができました。

また、全国で起こっている地震や津波、豪雨災害で貴重な資料が損傷したり紛失してしまったなどの話も聞きます。
そういった事に巻き込まれない事が望ましいですが、いざという時のためにもアーカイブ化はとても良いかと思います。

ドウノ ヨシノブ 様(えかき・ものづくり作家)

全国の絵地図の制作や伝説伝承に関する挿絵などを手掛ける。(以下はドウノ氏の作品です。)

・京都精華大学 非常勤講師
・第22回三ツ山大祭学術技術専門員
・一般社団法人なないろめがね 代表理事
http://7iro.glass/

・特定非営利活動法人Board Game Japan 代表理事
https://boardgamejapan.org/

著書
はりま伝説夢物語(神戸新聞出版社)
はじめて学ぶ生物文化多様性(講談社)
など

詳細プロフィール
http://7iro.glass/about/profile_douno

今回依頼いただいた幻の鉄道計画の企画展(開催終了)

霞城館・矢野勘治記念館企画展「たつのレトロ ~姫新線と幻の鉄道~」

三木市在住の神澤誠一氏が撮影した姫新線の蒸気機関車の写真と、宍粟市在住の内海照也氏が近年発見した新宮町と山崎町を結ぶ幻の鉄道計画を紹介する企画展を開催します。

と き:2024年2月17日(土)~4月7日(日)9時30分~17時(入館は16時30分まで)※休館日は月曜日、2月27日、3月21日
ところ:霞城館
入館料:一般200円 小~大学生・65歳以上100円 ※ココロンカード提示で無料

関連イベント 講演会「幻の鉄道計画と姫新線」
講 師:義則敏彦氏(歴史文化財課専門員)
と き:3月16日(土)14時00分~
ところ:霞城館
定 員:40名(要事前申込み、申込み順)
参加方法:霞城館へお申し込みください。(参加費無料)

霞城館・矢野勘治記念館
〒679-4179 兵庫県たつの市龍野町上霞城30-3
TEL・FAX:0791-63-2900
URL:https://www.kajoukan.jp/
E-mail:info@kajoukan.jp